矢寿井感染制御研究所を代表し、去る11月9~11日に東京ビッグサイトにて開催されました第40回日本医療福祉設備学会及び併設展示会HOSPEX2011に参加して参りましたので、ご報告させていただきます。

今大会長であられた信川益明先生(医療法人社団千禮会理事長・上海中医薬大学客員教授)は、大会テーマを「生活支援・医療連携・生きがい作り実現のための医療・福祉設備」とされ、人の生活様式とライフステージに合った医療・福祉システムの構築が必要であり、高齢者向けの見守りネットワークには、今テーマそのものが必要だと語られていました。その際、在宅医療・在宅ケア・医療機関・社会福祉施設・訪問看護スションなどにおいて、医療・福祉機器の活用・技術の応用・情報通信技術ICTツールの活用が必要だとも語られました。
今学会企画は、下記の視点から構成されました。
①  施設内設備から地域への拡大(健やかに生きられる街づくりのための設備のソフト・ハードの活用)
②  従来の学会テーマの継続
③  日本医療設備協会活動との連携
④  産学連携の接点の場としての機能
⑤  専門家としての接点としての機能
⑥  HOSPEXJapan2011及び日本医療福祉設備協会誌「病院設備」との融合企画充実による連携の強化

今学会プログラムでは、基調講演をはじめ2つの特別講演(服部幸應先生の「食育のすすめ」含む)、9つのシンポジウム(「病院のごはん」含む)、6つの講演(「感染制御」含む)、報告、5つのランチョンセミナー(「中小医療機関における安全管理」含む)などの広範囲なテーマからの最新発表・報告がなされ、私自身も多々質問・提案・意見を述べさせて頂きましたが、大変な盛り上がりで、とても有意義なものとなりました。

併設展示会である「HOSPEXJapan2011」の展示場内にも特別講演会・フォーラム・セミナー・各主題別コーナーなどが設けられ、まさに学会場を上回るほどの大盛況でありました。また、約200社・450小間(添付資料 3参照)には、最新の医療設備や機器が出展されており、それぞれがハード面・ソフト面を柔軟に駆使した最新の設備・装置を展示しており、私が以前所属した医療機器メーカーでも、当業界の注目を浴びるスーパー低温滅菌システムを出展しており、元社員として大変嬉しく見学できました。

私自身が今大会に関して注目しておりましたのは、専門分野である感染制御(添付資料 2を入手)は当然のことながら、今の時代の要請に応えようとする医療機関や福祉施設での「食の安全」をどのように担保すべきかということであり、その具体的な方法に関しての発表・報告でした。それは、すでに大病院では、セントラルキッチン方式・セントラルキッチン+サテライトキッチン方式・院外調理システム導入方式と大きく管理者の方針で選択が進んでおり、今後は保育園・障がい者施設・高齢者施設を擁する福祉施設へ食事や厨房設備への変化が考えられるトイうことです。特に、現在は社会的な問題として保育園への待機児童が多く存在するということから、政府は従来の保育園機能と幼稚園機能をドッキングした「こども園」という名称で解決を図ろうとしており、今後に小さい子たちを保育=預かるためには幼稚園には新しく厨房設備を設置する必要があります。その際に安全・安心・快適である的確なシステムを矢寿井感染制御研究所として提案していきたいと考えるからです。

今後は少しでも早く、病院に入院する方々に加え、福祉施設関係者(保育園・障がい者施設・高齢者施設)、さらに幼稚園関係者にも、食に関する安全・安心・快適な状況を提供できるシステムを提案していきたいと思います。
(添付資料1) 第40回日本医療福祉設備学会抄録集(JPG)
(添付資料2) 病院設備設計ガイドライン (衛生設備編)(JPG)
(添付資料3) HOSPEXJapan2011 出展者(JPG)